“EASARS(イーサース)”と聞いてピンとくる人はそう多くはないはずだ。
ドイツ・ハンブルクを拠点とするこのブランドは台湾をはじめとする世界各国のデザイン・音響機関と協力体制を敷く、まさに本格的ゲーミングデバイスブランド。
日本での歴史はまだ浅いが、ゲーミングヘッドセットを武器に展開を進めているゲーミングデバイス界の”黒船”である。
今回はEASARS様よりRGB対応のゲーミングキーボード “Flare” を提供して頂いた。
日本未発売のキーボードなので『レビュー&日本人向けの製品なのか』に焦点を当てていくことにする。
この製品が競技向けゲームと呼ばれる”e-Sports”に取り組む人たちでも満足ができる製品なのだろうか。
ユーザー先行レビューとしていくつかのポイントに分けてレビューを進めていく。
1.キースイッチ (10点満点)
2. デザイン (10点満点)
3. キーキャップ (10点満点)
4. 設定ソフトウェア (10点満点)
5. コストパフォーマンス
-計 40点評価-
最近のゲーミングブランドはこぞって互換スイッチに移行しているが、本家であるCherryMXスイッチとどのような点に違いがあるのだろうか。
本家”CherryMXスイッチ”と大きく異なる点として”コスト”が挙げられる。
CherryMX軸互換スイッチと呼ばれるスイッチを製造する多くのメーカーは中国企業である。
そのため、スイッチ自体が単価が本家よりも安い。
これがプレイヤーに避けられる原因の1つでもある
このGreetech製互換スイッチは青軸のみならず、全てのスイッチを本家と同じ押下圧(おうかあつ)に設定している。
以前、CherryMX青軸スイッチを使用していた経験があるのだが、“Flare”を初めて触った瞬間に『本家CherryMX軸ではないか』と思う程、スイッチ感がほぼ変わらないスイッチだと感じた。
“Flare”に使用されている青軸スイッチはクリック感のある特徴的なスイッチである。
ゲーミングキーボードで大きく別れる部分がスイッチの軸の種類である。
カチャカチャと音がなることが特徴なスイッチのため、タイプ音が大きいことがデメリットだ。
しかし、FPSではストッピングの際にクリック感のあるメカニカルスイッチの方が有利なため、青軸を使用するゲーマーが非常に多い。
もっぱら赤軸派であったが、“Flare”を使い始めると青軸の方がFPSに向いていると改めて実感できた。
点数 : 7点
総評 : Greetech製互換スイッチは本家とほぼ変わらない。
CherryMX互換製品と万人向けではない青軸がユーザーを選ぶポイントである。
(マウスパッドが変形する原因の1つである。)
テンキーが付いていないと不便に感じると思うかもしれないが、実際に使い続けると多くのゲーマーがテンキーレスタイプを好む傾向にある。
FPSやゲームではローセンシと呼ばれるプレイヤーは必然的にサイズが大きめのマウスパッド(主に横幅約40cm程)が使用されているため、テンキーレスのキーボードは机があまり広くないプレイヤーにもおすすめできる。
“Flare”では大きな特徴としてテンキーレスタイプのデザインが取り入れられている。
◆ “Flare”のもう1つの特徴はキーのスイッチの位置が高いところにある点である。
キーの底打ちを防げるため、メカニカルキーボードの青軸とは思えない程、柔らかい設計になっている。
正直、青軸キーボードでこの機構を採用している点では最高のキーボードと言っても過言ではないと思う。
キーボード裏面の滑り止めはシンプルなものだが、プレイ中に問題は感じられなかった。
ゴムで作られているため、摩擦による劣化や経年劣化にはあまり強くはない。
点数 : 9点
総評 : 何といっても高めに設定されているキーが素晴らしい。
滑り止めはいまいちだが、標準的なデザインと言える。
テンキーレスタイプのため、オフラインイベントにも重宝する。
ダブルショットキーキャップは文字部分と本体が異なる層に分かれているため、使用による印字のスレは起こらない。
構造上はどれだけ擦っても印字が消えることはない。
手汗に強いため、ゲーム中は印字を意識せずにのびのびとプレイすることができることが最大のメリットである。
一般的なキーボードではコスト面から採用されないケースが多いが、”Flare”では細かいキーキャップにこだわりが反映されていることから細部までゲーマー向けにデザインされていることがよく分かる。
日本のゲーマーにはあまり親しみのない機構だが、海外では評価されつつある人気のキーキャップの機構である。
点数 : 8点
総評 : 比較的珍しいダブルショット機構が採用されている点が評価できるポイントである。
細かいバリや粉のようなものが残っている点がマイナス評価の理由であるが、特殊な場合を除いて通常使用する分にはプレイに影響しないレベルである。
プロファイルは合計5つまで登録可能。
Fn+矢印キーでいつでも変更することができる。
マクロは対応済みだが、英語が理解できないと画面の案内に沿って操作が行えないことがネック。
レポートレートや使用するキーの設定ができる。
メディアプレイヤーを使用する場合は再生ソフトを選べる点が良い。
FPSやRTSをプレイする場合はデフォルトの設定をオススメする。
RGBを生かしたイルミネーションを設定する画面。
PCがしている動作に対して色を変えることが可能。
デフォルトで40色用意されているが、オリジナルで作ることもできる。
色コード(例:#ffffff)は専用のサイトでRGB値に変換すれば使用可能。
(WEB色見本 原色大辞典:http://www.colordic.org/)
発色パターンや細かい設定も可能。
一見すると英語で分かりにくいように見えるが簡単な英語なため、分からない人は翻訳サイトを使うことを推奨する。
点数 : 6点
総評 : 海外のゲーミングデバイスでは設定ソフトの動作が不安定な場合が多いが、“Flare”では感じられない。
日本語未対応のため、設定ソフトが使いにくいことが難点。
RGBやRGB対応のダブルショットキーキャップなど細部にこだわりが見えることから製品の元の価格(原価)が高いことが分かる。
また、以前ゲーミングデバイスメーカーで働いていた元業界人の方が『アルミで作られているフレームレスのキーボードの方がコストダウンができる』と仰っていたのでフレームでもある程度はコストが掛かっていると理解できる。
RGB対応キーボードの相場は1万9000円程度。
“Flare”は英語配列なのでどれだけ良い機構を採用されていても相場の価格では他の商品に対抗することはできないのでないかと思う。
テンキーレスのキーボードの相場は9000円代後半程度。
難点である英語配列をそのままにする場合は1万2000円程度がユーザーが検討できるレベルではないかと思う。
日本語配列に対応することができた場合は1万4000-6000円程であればヒットする可能性が見えてくる。
価格や配列、さらにはブランド力によって左右されがちのキーボード界であるため、それらの条件や仕様によってはヒットする可能性も秘めているのではないかと思う一方、ブランドの知名度が低いため、ユーザーが敬遠することも避けられない。
いずれにせよ、海外のブランドならではの価格を設定しなければいけないのかもしれない。
1.キースイッチ (7/10点)
2.デザイン (9/10点)
3.キーキャップ (8/10点)
4.設定ソフトウェア (6/10点)
5.価格
計 30点/40点 (満点40点)
◆ RGBのキーボードにあまり魅力を感じない人もいるかもしれないが、実際に使用してみるとモチベーションアップやオフラインイベントにピッタリだと感じた。
(管理人オススメのイエロー。黒のキーキャップにとても合っているのでお気に入り。)
キーが絶妙な高さにあり、青軸のゲーミングキーボードの中では最高クラスのデザインではないかと思う。
初めてのEASARS社の製品だったが、十分にゲーマーの意見が取り入れられているデバイスだった。
ゲーマーにオススメできるテンキーレスのデザインにも好印象を持った。
価格やソフトウェア日本語未対応など不安な点もあるが、それらを受け入れることができるのなら“Flare”を選択肢の1つとして考えてみてはいかがだろうか。
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