発売日迫る『World War 3』、新たなFPSに現代戦ロスの我々を救う理想郷はそこにあるのか

 2016年1月28日、それは突然の出来事だった。多くのユーザーが求める現代戦を拒み、満を持して発売された第一次世界大戦が舞台の超大作『BattleField 1』から約3ヶ月、”現代戦ロス”が限界に達した私たちの元に”蜘蛛の糸”が垂れてきたのである。

 「Painkiller: Hell&Damnation」や「Get Even」などで知られるポーランドのデベロッパ,The Farm 51が同社の公式サイトにて,新作「World War 3」の制作を発表した。プラットフォームには言及されていないが,Free-to-Play(F2P)のオンラインFPSとしてリリースされる予定となっている。(引用元:4Gamer.net

 『World War 3(以下、WW3)』は架空の第三次世界大戦が起こるヨーロッパが舞台だ。PUBGにも採用されているゲームエンジン『Unreal Engine 4』を採用し、広大なマップを使った豪快で迫力のある撃ち合いは勿論の事、BFシリーズ同様に戦闘ヘリや戦車といった兵器も使用できることが発表された。

 WW3は紛れもなく、私たちが2年間待ち続けたゲームなのであった。

 

WW3への期待

 発表から2年後の2018年5月18日、年内にアーリーアクセス版をSteamにて発売することが公表された。その夜、私たちのDiscordサーバーではWW3の話で持ち切り…とまではいかなかった。なぜなら、本家本元元祖のDICEが6日後に新作『Battlefield(以下、BF)』の発表会を行うことが予定されていたのである。BFシリーズで現代戦がしたいという欲求は最高潮に高まっていた。

 しかし、DICEは冷酷だった。『Battlefield V』は第二次世界大戦がテーマだったのだ。

 そんな絶望の中で私たちはあることを思い出すことになる。それは、架空の第三次世界大戦、すなわち現代戦ができるWW3なのである。

 現代戦の砂漠を歩き続ける私にとって、WW3はオアシスでしかなかった。「現代戦ができるから」という一点で根拠のない期待を抱いたのだ。私の気持ちは「BFシリーズで現代戦がしたい!」から「現代戦がしたい」に変わっていた。

 ここまで書くとWW3が最高にスリリングで歴史を塗り替えるとんでもないゲームのように感じてしまう。だが、一度冷静に考えてほしい。果たしてこのゲームにそれだけのポテンシャルはあるのだろうか。

 

WW3の欠点

 WW3には大きな欠点がある。それは、ゲーム内言語が翻訳されていないことは勿論、アジアサーバーが用意されていないということだ。WW3はEU(ヨーロッパ)・NA(北アメリカ)の2つの地域でサーバーを運用していく予定であることはWW3公式Discord内で明言されている。(以下の画像はWW3運営のAMAの回答をまとめたGoogleドキュメントの資料より/こちら

 実はこの理由、やたらめったらにWW3のクソゲーへとでっち上げるこじ付けではない。我々の記憶の彼方にある、あの”ゲーム”が紛れもない根拠だ。FPSファンのみなさんの記憶に新しいだろう。そう、『Battalion 1944(以下、Battalion)』である。

 2016年2月2日、クラウドファンディングサイト『Kickstarter』のプロジェクトが始まったBattalionは『Medal of Honor』や『Call of Duty 2』から影響を受けて製作されたFPSで、シンプルなシステムとクラシカルなFPSの要素を取り入れ、その話題性からわずか3日で目標額の10万ポンド(約1,700万円)を調達した革命的FPSタイトルである。

 当時、日本人の間では「CS:GOやR6Sを脅かすe-sports向けタイトル」とも言われ、そのツイートは瞬く間に注目を集めた。(私の記憶が正しければ個人のツイートで「1620円で本格的なFPSができる!クラファンでも話題あるし、絶対流行る!みんなでやろうぜ!!」みたいなツイートがあったはずだが、見つけることはできなかった。)

 BattalionもまさにFPSゲーマーから大きな期待を寄せ、その期待をヘッドショット一撃で見事に裏切った、紛うことなき『残念FPS』なのだ。

 Battalionは発売当初こそ、日本サーバーが存在していなかったが、ユーザー個人がVPSなどを利用してサーバーを建てることができる仕様であったため、5日後には日本サーバーでゲームがプレイできる環境だった。だがしかし、クラシカルな爆破ルールを基本にしているため、サーバーに接続できるのはわずかなプレイヤーのみで満足にゲームを遊べる状況ではなかった。

 DICEやEpic Gamesといった超一流のゲーム企業ではなく、海外に拠点を置く小規模~中規模のゲーム会社には様々な国で快適にプレイができるサーバーを用意するには無理がある。

 日本は今まで、この問題をゲームポータルサイト(ハンゲーム・Pmang・NEXONなど)が独自に運営するという手法で解決してきた。しかし、ポータルサイトが運営するゲームタイトルは基本無料(F2P)のゲームが主であり、韓国や中国で開発されたゲームが中心である。

 この問題は大企業に比べると資本力の少ないWW3も例外ではない。どちらが先に撃ったのか、どこに当たったのかの判定がとても重要なFPSはサーバーの応答速度(PING)が命である。応答速度が遅ければユーザーは遠のく。これは極めて自然だ。

 

一途の望み

 欠点はサーバーだけではなく、ゲーム自体にも存在する。バトルロイヤルゲームなどと違い、”ゲーム配信映え”しないゲームは広告戦略がとても難しい。SNSの攻略がカギとなっている現在では広告費をかけて広告を打てばいいというものでもなくなってきている。

 ゲームとしてはまだまだ未完成かもしれない。だが、ゆっくりと開発を進めて素晴らしいゲームにしてほしい。WW3の”現代戦”という大きな武器を生かし、他のゲームにない体験を提供することができれば、間違いなくゲームは成功するはずだ。ただ正直なところ、DICEが現代戦をテーマにすればこのゲームに未来はないだろう。

 もうどうやっても流行らない気もするが、僅かな希望を私は信じている。それは、「WW3が面白いかもしれない」「アジア鯖が来たら流行るはず!」というWW3に対する期待ではなく、100%神頼みで私なりの祈りなのである。

 

 World War 3(アーリーアクセス版)は日本時間の2018年10月20日午前2時、Steamにて28ドルで発売予定。

World War 3 公式サイト:https://worldwar3.com
公式Twitter:https://twitter.com/ww3thegame
公式Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/WorldWar3TheGame


mush1to

『RE:Action!(2015-)』の管理人。千葉県生まれインターネット育ちの未成年。FPSとゲーミングデバイスが得意分野。

あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です