ワイヤレス41グラムの衝撃!2万円の超高級機『Finalmouse Starlight-12 Small』をレビュー

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 1999年にRazer社が世界初のゲーミングマウス(Boomslang)を発売してから22年。ゲーミングマウスは時に頼もしく、時に熱狂し、そして時に慰め合い、出会いと別れを繰り返しながら私たちとともに時代を歩んできた。

 エルゴノミクス(人間工学に基づいた)デザインに始まり、光学式・レーザー式センサーの対立、そしてより高精度なセンサー、低遅延ワイヤレスの台頭など、着実に進化を遂げたゲーミングマウスは2018年を転換期に新たな時代へ突入した。ここ数年のトレンドである”軽量デザイン”はマウスに穴を開けて軽くするという最もシンプルかつ、最も難しい発想によって、長いゲーミングマウスの歴史の中でも極めて特別に私たちを熱狂させている。


 日本時間2021年5月2日午前8時、Finalmouseは新たなゲーミングマウス『Starlight-12』を公式サイトにて発売をした。今回発売されたStarlight-12は、Achilles(金)・Ares(赤)・Hades(黒)・Zeus(白)の4色に加え、Small・Mediumの2サイズ展開。価格は189.99米ドル(送料別:14.95米ドル)。商品の代金と送料を合計すると、発売日当日のレートで日本円にして23100円になる。一般的な高性能ゲーミングマウスが8000円程度、対抗馬となる『Logicool G Pro X Superlight』の価格が16000円程度であることから、Starlight-12がいかに高級機であるかということが分かる。

 サイト公開後、8時になったと同時にアクセスが集中したことによって1分程度サイト上で正常に処理がされなかったが、その後、限定1万個(全8種類,各1250個)はわずか10秒で売り切れてしまった。

 私は今回、偶然にもAchillesのSmallを購入することができた。Twitter上で確認できる日本人と思われるアカウントの購入報告は私を含めてわずか5件ほどと購入できた人はかなり少ない。直近3製品は国内の正規代理店での取り扱いがあったものの、今回は公式サイト上のみで販売された。

 「MaxGaming(海外正規代理店)での取り扱いはあるのか?」というユーザーの質問に対し、Finalmouseは「今回の販売分は公式サイトのみ」とツイート(参照元)した。また、次回の再販は2021年内としている。

 

Finalmouse Starlight-12 Smallのスペック表

 Starlight-12 Small
カラーAchilles(金)・Ares(赤)・Hades(黒)・Zeus(白)
センサーFinalsensor
最大トラッキング速度450ips
DPI400/800/1600/3200
LED残量わずか:赤色、充電中:オレンジ色、満充電:緑色
本体サイズ53.5(W) x 115(D) x 35(H) mm
重量41g
価格189.99USD(送料別:14.95USD)/ 23100円(送料込み ※発売日当日のレート)

 

パッケージ&内容物

Starlight-12には色を表す名前とは別にそれぞれにタイトルが付けられている。Achillesは”HERO OF TROY”

内容物
・マウス本体
・充電兼接続用Micro-USB Type-Bケーブル
・ワイヤレスレシーバー
・メッセージカード
・取り扱い説明書

 内容物は以上の通り。取り替え用のマウスソールは付属していない。旧製品のパッケージは片づけづらいデザインだったが、今回はフタを外すだけのとてもシンプルな設計になっている。

詳細レビュー

マウス表面&裏面

 今回、Finalmouseが軽量化を行うにあたり、トップカバーの素材に”マグネシウム合金”を採用した。マグネシウム合金は実用金属の中で最も軽い。大半のゲーミングマウスは黒色で模様のないシンプルなデザインが多い中、SNSの”映え”を狙うデザインと言える。なお、このデザインがカッコイイかどうかは読者のみなさまの感性に委ねたい。

 

 メインボタンは押し込みが深めでやや重い。マイクロスイッチは確認できておらず、不明。メインボタンに刻まれた模様は彫られているため、凹凸が存在するがかなり浅く、違和感は感じない。

 ホイールに関してはゴリゴリ感はあるものの、回したときの重さはなく軽い印象である。

マウス側面

 旧製品と同様に側面は全面的にパンチングが施されている。ハニカムデザインを嫌う派閥の中には側面の触り心地が気になる人が一定数存在しており、その方々はキツい思いをするのではないのだろうか。

 サイドボタンはマイクロスイッチを採用しており、こちらは軽く柔らかい印象。

この角度だとデザインが映えてなかなか良い

 今回の販売分はマウスの下部にマウスの個体を識別できる番号が刻印されている。私の場合は、359/2500となんとも言えない数字だった。

ケーブル

 付属のケーブルはマウスを充電するとき、無線で使用する際にレシーバーに接続して使う。本家CeeSAのパラコードまで柔らかいとはいかないが、基本的には無線の使用を想定しているので、何ら問題はない。

 

サイズ比較

左:COX CM600、真ん中:Starlight-12 Small、右:ROCCAT – Kone Pure Owl-Eye

 手元に用意できたマウスがマイナーなマウスのため、メジャーな他社製品との比較はRocket Jump Ninja氏のレビュー動画(リンク)を参照していただきたい。COX CM600はゲーミングマウスの中でもかなり小さいが、Starlight-12 Smallはそれよりも少しだけ大きい程度なのでゲーミングマウスの中では小さい部類に入る。

ワイヤレス機能

 ワイヤレスゲーミングマウスの根幹とも言えるマウス側に搭載されたワイヤレス用SoC(いわゆるCPUなどのあらゆるものを一つのチップにしたもの)はNordic Semiconductor社製NRF52840を搭載。この点に関しては私の専門外のため言及は避けるが、同社の省電力モデルの中でもハイエンドという位置づけにある(製品リンク)。

 無線時にはケーブルをレシーバーに接続して使用する。レシーバーは小さいので置き場所に困ることはない。

バッテリー

 充電はMicro USB Type-Bに対応。近年、スマートフォンなどので主流となっているUSB Type-Cではないのでこの点は注意が必要。これについてFinalmouseはInstagramライブ(このライブはStarlight-12発表会のようなジョークが含まれている)にて、PCB(プリント基板)設計上有利に働くとした上、「どうせ(充電のために)1年に3、4回しか使わないんだからどうでも良いだろ」(意訳)と説明している(切り抜き動画のリンク)。

 バッテリーの残量がわずかであるとき、赤色に光る。充電中、バッテリーが満充電されている場合はマウスに搭載されたLEDが緑色に光り、そうでない場合にはオレンジ色に光る。何%というバッテリー残量を詳細に確認することができないため、少し不便である。

 なお、バッテリーはマウス下部側に設置されている。

 

センサー

 Starlight-12は独自ナンバリングのFinalsensorを搭載。正式に公表はされていないものの、おそらくPixArtが開発したものだと思われる。最大トラッキング速度は450ips(毎秒11.43m)である。近年は採用率が減りつつある1世代前のセンサーPixArt PMW3360は250ips(毎秒6.35m)、最近の上位機種では採用率の高い同社のPMW3389が400ips(毎秒10.16m)であるため、Finalsensorは極めて優秀である。

 FinalmouseはTwitter上で”優れたセンサー”について口論をしていた2人のユーザーに対し、「最近のセンサーは主に消費電力をめぐって競争をしている」と返信している。つまり、Finalmouse側の認識として、現在のゲーミングマウスに搭載されている最新のセンサーは必要スペックを満たしているため、センサー自体のスペックを上げることよりもワイヤレスマウスの消費電力を下げる工夫をする必要性が高いという考えである。

 これについては、私は250ipsをFPSをプレイする際に最低限必要といえるスペックと認識していて、余裕を持たせるためには400ipsが必要だと考えている。ただし、センサーにはファームウェアやマウスパッドとの相性、好みなどがあるため、一概にスペックが良ければ良いというわけではない。こういった相性や好みといったものを排除したとき、スペックが高いことに越したことはないものの、今回のFinalmouseの主張は納得がいく。

 センサーの疑似的検証ソフトウェア「Mouse Tester v1.2」を使用してテストを行った。このソフトはセンサーのトラッキングの正確さを大まかに把握することができるソフトである。基本的には点と点を結ぶ線がなだらかであるほど良いと考えていただきたい。環境は以下の通り。

ソフトウェア:Mouse Tester v1.2
マウスパッド:ARTISAN 雷電 MID NINJA FX XL
ポーリングレート:1000Hz
OSマウス感度:6/11
PC環境:https://re4ction.org/archives/2273

 

 センサーの相性があると言われているARTISANの雷電シリーズだが、このグラフを見る限り、頂点でほんのわずかなブレが確認できるが、かなりまとまっている。VALORANTのデスマッチを数戦プレイしたが、マウスポインターが飛んだり、遅延を感じることはなかった。

 

ソフトウェア

 Starlight-12はドライバレス設計であることから設定用ソフトウェア等は存在しない。そのため、販売ページ上では最大20000DPIとされているものの、実際は400/800/1600/3200の中から本体に搭載されているDPI変更ボタンを使って適宜選択する必要がある。

 そのため、サイドボタンの入力を特定のキーに変更したり、ポーリングレートを変更することは現状不可能である。

 

まとめ

Good

・ワイヤレスなのに41グラムという圧倒的な軽さ
・450IPSを誇る最新のセンサー

Bad

・他のマウスに比べ、価格がかなり高い
・入手性が悪い

 

 Starlight-12は軽量のゲーミングマウスにこだわってきたFinalmouseだからこそ、形にすることができたマウスではないだろうか。マグネシウム合金を使用してまで軽さを追求する徹底ぶりには脱帽である。

 一方で設定用ソフトウェアがないため、細かい設定をすることはできない点は残念であるが、センサーを含めたスペックもかなり高く、文句の付け所がない。

 「ワイヤレスで軽いマウスが欲しい」というなんとも欲張りなあなたにぜひ、おすすめしたいマウスである。ただし、このマウスを手に入れるためには5-7万円程度で転売されているものを買うか、次回の再販の争奪戦に勝利するか、国内の代理店が取り扱うのを待つしかなく、苦しく険しい選択を迫られることからは逃れられない。

 

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